2021年9月 一般質問

1.基地対策について

 1)米軍水道施設の返還について

 2)キャンプ座間への市営水道の給水について

 3)米軍水道送水管について

 4)キャンプ座間に関する協議会について

2.市職員のメンタルヘルスについて

3.文書による記録について

 1)要望等の文書による記録制度について

 2)行政組織内部における指示の文書による記録制度について

4.保育所待機児童問題について

 1)待機児童数の現状に対する評価について

 2)第4次座間市総合計画戦略プロジェクト「保育園の民営化による建て替え」の総括について

 3)民営化による公立保育園の建て替えと定員増について

 

 

1.基地対策について

 

1)米軍水道施設の返還について

 

 まず、米軍水道施設の返還についてお聞きしたいと思います。まず、この水道施設とは一体何かということですが、キャンプ座間の敷地とは別に、市内にある米軍管理の取水井戸やポンプ場など、長年にわたり本市が返還を求めてきたものであります。

 

 1971年(昭和46年)、キャンプ座間への自衛隊の移駐にあたって、当時の座間町長と横浜防衛施設局長との間で覚書が交わされ、第5条に「米軍管理の水道施設の早期移管を積極的に米軍当局と協議し最善の努力をする」と明記されております。

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 2017年(平成29年)には、当時の遠藤三紀夫市長と南関東防衛局長との間で、新しい覚書が締結されましたが、ここにおいても第3条4項に、同様の内容が明記されております。

 

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 また、座間市防衛省との定期的な協議機関である「キャンプ座間に関する協議会」においては、2014年2月19日に開催された第5回代表幹事会において、次のようなやりとりがあったと記録されております。

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 そこで、お聞きするものでありますが、このように覚書に明記され、さらにキャンプ座間に関する協議会においても協議することが合意されている「米軍水道施設の早期返還」について、現状の進展状況及び課題について、当局の説明を求めるものであります。

 

2)キャンプ座間への市営水道の給水について

 

 次に、キャンプ座間への市営水道の給水について、お聞きします。キャンプ座間への市営水道の給水というのは、キャンプ座間への給水を米軍管理の水道施設を使ってのものから、市営水道からの給水への切り替えを求めるものでありますが、水道施設の返還問題と密接にリンクする問題でもあります。

 

 1971年に締結された旧覚書には記されておりませんでしたが、2017年に締結された新覚書の第3条第3項には、このように明記されております。

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 2018年5月24日に開催されたキャンプ座間に関する協議会第20回幹事会では、キャンプ座間への市営水道の導入について、次のようなやりとりが行われたと記録されております。

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 そこで、お聞きするものですが、「キャンプ座間への市営水道の導入」について、現状の進展状況及び課題等について、当局の説明を求めるものであります。

 

3)米軍水道送水管について

 

 次に、米軍水道送水管について、お聞きします。米軍水道送水管というのは、米軍管理の水道施設からキャンプ座間の基地内へ送水する管のことを言いますが、この送水管は、元々旧陸軍士官学校の開設時に埋設されたものとされ、そうであれば1937年開設ですから、少なくとも84年以上経過していることになります。

 

 問題は何かといえば、この送水管が埋設されているのは、本市の市道の地下及び一部民有地の地下であるとされていますが、では、その法的な根拠は一体何かということです。このうち一部、例えばこの市役所の建設時に、市役所敷地の地下に埋設されていたものは、市役所建設に伴い付け替えが行われ、この部分は道路法にもとづく占用協議が行われ、本市も同意しておりますが、その他の部分といいますか、大半の部分は、占用協議と同意が行われておりません。では、大半の部分についてはどのような法的な根拠のもと、送水管が埋設されているのか、ということであります。

 

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 これは、2019年3月20日に開催されたキャンプ座間に関する協議会第21回幹事会の記録です。いろいろとわからない言葉もあろうかと思いますので、用語解説をしますと。

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 ご覧になっておわかりのとおり、座間市側も南関東防衛局も、占用協議がおこなわれていない大半の部分について、「将来、占用協議を行いましょう」とするだけで、現状の法的根拠には一切触れられておりません。この法的根拠については、これまで当局は次のように答弁されております。

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 要するに、市はわからない、南関東防衛局からも回答はない、という状態です。

 

 そこで、米軍水道送水管について何点かお聞きします。当局は、本市の市道の地下に埋設されている米軍管理の送水管について、民法上の地役権は設定されていないと説明してきましたが、2019年3月20日のキャンプ座間に関する協議会第21回幹事会で座間市側から「座間市道の地下に埋設されている送水管に係るイーズメント」と述べられています。ここでいう「イーズメント」とは何か、説明していただきたいと思います。

 

 次に、米軍水道送水管が、本市の市道の地下に埋設されている法的根拠については、明らかとなったのでしょうか?説明を求めるものであります。

 

 次に、当局は、送水管について「工作物として国有財産台帳に搭載(記載)されているとの回答を得ています。」(2019年3月議会 市長室長答弁)と答弁されているが、基地交付金の対象となっているのか、改めて説明を求めるものであります。

 

4)キャンプ座間に関する協議会について

 

 次に、キャンプ座間に関する協議会についてお聞きします。同協議会は2019年3月20日の幹事会以降、開催されておりません。新型コロナウイルスの感染拡大によるものとのことですが、本日取り上げました案件をはじめ、基地に係る重要な課題、問題が山積していることは言を俟ちません。感染状況を考慮にいれながらも、早期に開催すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

 

2.市職員のメンタルヘルスについて

 

 次に、一般質問の第2点目として、市職員のメンタルヘルスについて議論したいと思います。

 

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 このグラフは、総括質疑の際にもお示しいたしましたが、本市における過去10年間のメンタルでの療養休暇取得者と休職者の推移です。療養休暇取得者、休職者、ともに右肩あがりで増加しておりますが、ここでは、全国的な地方公務員の状況と比べて、本市の状況はどうか、ということを比べてみたいと思います。

 

地方公務員安全衛生推進協会という一般財団法人が、毎年「地方公務員健康状況等の現況の概要」というものを公表しております。その「今回調査(令和元年度)の概要」では、次のように記されております。

 

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 この「10万人率」を本市に当てはめてみると、

 

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 こうした本市の状況は、ある意味で「危機的な」な状況とも言えると思いますが、市職員に対するメンタルヘルス対策の推進と、労働環境の整備は、まさに喫緊の課題と考えますが、まずは当局の基本的な考えを伺いたいと思います。

 

 次に、市職員に対するメンタルヘルス対策についてお聞きします。

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 この表は、2020年度の本市職員のストレスチェックの受験結果です。2020年度ストレスチェックの対象となる職員数(一般職、再任用、任期付き)は970人、そのうち受験者は937名、受験率は96.6%となっております。受験した職員のうち、高ストレスに該当した職員数は173人で18.5%、このうち医師による面接指導を受けた職員数は6人で、その割合は3.5%となっております。

 

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 この結果を、総務省の「令和元年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」と比べますと、高ストレスに該当した職員の割合は10.5%(市・区)で、本市の方が大幅に上回っております。一方、医師による面接指導を受けた職員の割合は、全国平均(市・区)が4.7%に対し本市は3.5%で、逆に本市が下回っており、この結果を見ると「高ストレスに該当する職員が多いにもかかわらず、医師による面接指導数が少ない」ということなります。

 

 こうした結果について、当局はどのように分析されているのでしょうか。また、今後のメンタルヘルス対策の推進と合わせて当局の見解を伺いたいと思います。

 

 

 次に、本市職員の労働環境についてお聞きします。

 

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 この表は、対象人員一人当たりの時間外勤務時間数の上位10課の2018年度と2020年度のものです。2020年度本市の時間外勤務時間総数は89,222時間、管理職以外で時間外勤務の対象となる人員数は722人、時間外勤務時間総数を対象人員で除した数値は123.6時間/年となります。これを平均値としてみると、一部の部署に過重な業務が集中していることがわかります。この時間外勤務の現状について、当局はどう評価しているのでしょうか、見解を求めるものであります。

 

 次に、年次有給休暇の取得状況についてお聞きします。2020年度の職員一人あたりの平均取得日数、及び取得日数が5日に満たない職員の割合について、明らかにしていただきたいと思います。

 

3.文書による記録について

1)要望等の文書による記録制度について

 次に、一般質問の第3点目として、文書による記録について議論したいと思います。まず、要望等の文書による記録制度についてです。この場合の「要望等」とは何か、ということですが、議員の場合は「口利き」という言葉を使っても差し支えないと思っています。しかし、議員の「口利き」というと、どうしてもネガティブな印象を持つ方が多いかと思います。本来の言葉の意味からすると「間にたって紹介や世話をすること」ですから、我々議員の活動では、本来の言葉の意味における「口利き」は、私もそうですが、数多く行われているのではないかと思います。

 

 しかしながら、「口利き」がネガティブな意味合いを持つに至った理由は、政治家の「口利き」の中には、行政の許認可に対し、依頼者が有利になるように不当な圧力をかけ、その見返りに報酬を得るような行為が続いてきたことによるものと考えられます。

 

 よって、今回は「口利き」という言葉を使わず「要望等」と表現を使っておりますが、本市の職員が行政組織の外部から「要望等」を受けた場合に、その内容を文書で記録する制度について、当局の見解を伺いたいと思います。

 

 なお、この場合の外部とは、本市の行政組織及び公営企業組織に所属するもの以外の者で、具体的に例示すれば各級議員、公務員OB、団体、さらに市民その他の者で、正当な要望等であっても、またあってはならないことですが不当・不法な要望もすべて、文書で記録するというものです。

 

 こうすることにより、外部からの不当要求や不当介入に対して、行政のコンプライアンスを確保し、また、正当な要望等については、それがどう判断され処理されたのかを知ることができるという意味では、行政の透明性を高めることにつながると思いますが、当局の見解を伺います。

 

2)行政組織内部における指示の文書による記録制度について

 

 次に、本市の行政組織及び公営企業内部における口頭での指示等について、文書により記録する制度についてお聞きしたいと思います。職員が上司から指示を受ける場合、文書での指示・命令のみならず、口頭による指示・を受ける場合は多いことと思われます。口頭による指示を文書として記録し、行政文書として保存・管理することは、指示を発する上司にとっては指示の明確化につながり、指示を受けた職員にとっては、間違いのない職務の遂行と所属部署での共有化に役立つのではないかと思われます。

 

 また、行政のコンプライアンス上は、これもあってはならないことではありますが、パワハラ防止にもつながるのではないかと思いますが、当局はどうお考えでしょうか、見解を伺うものであります。

 

4.保育所待機児童問題について

1)待機児童数の現状に対する評価について

 

 次に、一般質問の第4点目として、保育所待機児童問題について議論したいと思います。

 

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 この表は、過去10年間の本市の保育所待機児童数の推移です。2021年度4月1日現在の本市の保育所待機児童数は、59名。昨年4月1日段階での待機児童数は69名ですから、10名の減となっておりますが、昨年も、今年も、県内33市町村の中で待機児童数が最も多い、ワースト1という状況にあります。とはいえ、県内33市町村といっても政令指定都市から村までありますから、単純に待機児童数だけでは比較できないのではないかと考え、人口10万人あたりの待機児童数をグラフにしたものが、次の表です。

 

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 本市の2021年4月1日付の人口10万人あたりの待機児童数を見ても、座間市は県内33市町村中第3位、市では19市中では1位という状況であります。 そこで、まずは、この現状について、当局の評価を伺いたいと思います。

 

2)第4次座間市総合計画戦略プロジェクト「保育園の民営化による建て替え」の総括について

 

 次に、第4次座間市総合計画の戦略プロジェクトの一つであった「公立保育園の民営化による建て替え」の総括について、再度お聞きしたいと思います。2011年度から2020年度までの第4次座間市総合計画の重要施策として、戦略プロジェクトというものが策定されましたが、その中には「戦略プロジェクト2」として「保育園の建て替えを進めます」として、国が公立保育園の建て替えに補助金を出さなくなったので、民営化して、建て替えを行うというが示されています。さらに、建て替えにあたっては、施設規模を拡大し、定員を増やし、待機児童の解消を図るとしています。

 

 ところが、この10年間、公立保育園の民営化による建て替え、規模拡大、定員増は実現することなく、待機児童は解消するどころか、さきほどお示しいたように、2年連続神奈川県下ワースト1という不名誉な状態にあるわけです。私は、過去2回(2019年 2020年)にわたって、遠藤前市長にこの戦略プロジェクトが達成されなかったことについての総括を求めてきましたが、市長の答弁は、次のようなものでありました。

 

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 この総括からは、本市における待機児童問題が、現状のように深刻化にしていることについての真摯な総括は見られません。改めて、戦略プロジェクトが達成できなかったことに関する当局の総括を伺いたいと思います。

 

3)民営化による公立保育園の建て替えと定員増について

 

 次に、民営化による公立保育園の建て替えと定員増について、具体的にお聞きします。現在進められている緑ヶ丘保育園の民営化による建て替えについて、現状の定員数と建て替え後の定員数について明らかにしていただきたいと思います。

 

 将来、民営化の対象となっている東原保育園は、耐震化のため公立のまま建て替えを行い、その後民営化するとのことですが、本来公立保育園の建て替えにあたっては、国庫補助がないため、民営化して国庫補助を活用して建て替えを行うというのが、基本的な考え方ではなかったのでしょうか。見解を求めるものであります。また、東原保育園の建て替え後の定員数は何人となるのでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。

 

 以上、17項目にわたり、質問を行いました。明解な答弁を求めまして、一旦降壇いたします。