2014年第三回定例会 討論

 それではただ今議題となっております諸議案について、賛成及び反対の討論を行います。

2013年度一般会計決算の認定について

 それではまず、議案第38号の2013年度一般会計決算の認定についてでありますが、反対の討論を行います。なお、反対討論の理由説明でありますので、どうしても問題点の指摘のみとなりますが、ご容赦いただきたいと思います。

 まず、財政運営全般に関わる点についてですが、今決算の特徴について当局は、「歳出では義務的経費である人件費、公債費及び扶助費の減少並びに不用額をあえて残すなど厳正な予算執行管理により抑制された」としておりますが、それはほんとうにそうなのでしょうか。

 人件費についてみて参りますと、総額71億3587万8千円円は、確かに前年度比1億8714万円3千円の減となっておりますが、このうち、約1億6241万9千円、つまりそのほとんどは、国からの不当な圧力に屈し削減したものであります。すなわち、「国家公務員の給与を2ヵ年にわたって7.8%削減し、その財源を東日本大震災の復興財源等に充てるので、地方自治体も同様に削減し、防災などの事業に充てなさい。その分の地方交付税はあらかじめ減額する」という、なんとも理不尽な要求によるものであります。この給与削減の同調圧力が、地方自治に対する不当な介入であり、かつ震災復興ともなんら関係のないものであることなどは、すでに指摘してきたことであり繰り返しませんが、こうした意味も意義もない給与削減によって、「歳出が抑制された」と言われても到底容認することはできません。

 また、市債の償還額の減少を政策的効果のごとく示している点はなはな疑問であります。ご承知のとおり、公債費は過去の起債の償還計画に沿ったものであり、当年度の財政運営で政策的に増減できるものでありません。

 また、扶助費について、総額106億2454万円は、前年度に比べ7297万円程度の減になっており、主なところでは生活保護法定扶助費約9900万円、児童手当支給事業費が約6800万円の減となっております。確かに、生活保護医療扶助においては、ジェネリック医薬品の推奨などを通じた減額効果は認められますが、国の生活保護基準の改訂による影響額が約2300万、児童手当の減は、対象児童数の減と所得制限の通年実施によるものですから、この二つを合わせると約9000万円で、これだけで扶助費減額の主な理由を説明することができるわけであります。

 さらに、「不用額をあえて残す」という近年当局が多用するフレーズですありますが、地方自治法第2条第14項「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」という規定からすれば、ある意味当たり前の事務執行と言えます。また、当該決算年度における100万円以上の不用額約6億3700万円の内訳を見ていくならば、その最大のものは歳出予算執行の見込みが減となったもので、約4億7500万円。次いで入札執行残が約1億1200万円。一方職員の経費削減によるものは約4999万円ほどで、その中にはリサイクルセンター管理運営事業費、リサイクルプラザ管理運営事業費、市民文化会館管理運営事業費など指定管理者の経費削減によるものが合計約2000万円ほどあり、職員の実質的な経費削減額は約3000万円弱となるわけであります。

 これを多いと見るか、少ないと見るか、評価の分かれるところでありましょう。職員の経費削減努力には敬意を表するものでありますが、ことさらその実績を強調するほどのものではなく、地方自治法に定められている財政原則に従って、着実な事務執行を望むものであります。また、さらに申し上げるならば、不用額の最大となっている歳出予算執行の見込みの減、約4億7500万円については、先ほど述べました形式的決算の意義からすれば、予算計上の的確性が問われるものとも言えますので、注意を促すものであります。

 以上、当局が「厳正な予算執行管理により抑制された」とするものについて具体的に見て参りましたが、予算執行管理によるもの、すなわち自律的な対応によるものよりも、現実には国の制度改正や対象人数の減など客観的条件の変化によるものの方が多く、今決算結果をもたらした政策的対応としては、国の圧力による人件費の削減が主なものとしか見て取れず、まず財政運営全体に対する評価において、今決算の認定に賛成できません。

 次に、いくつかの個別的な事業について指摘をして参りますが、以下の分類で進めて参ります。一つは、「政策的妥当性に疑義があるもの」。二つ目は、「費用対効果が認められないもの」。三つ目は「事業の優先性に疑義があるもの」。四つ目は「事業執行にあたっての手続きに疑義があるもの」であります。

 はじめに、政策的妥当性に疑義がある事業ですが、まず、自衛隊宿舎建設を前提とした基地返還跡地利用促進事業については、その妥当性を認めることはできません。すでに、本年第二回定例会における討論において、歴史的経過を追って問題点を指摘をしておりますので、ここでは繰り返しませんが、陸上自衛隊中央即応集団司令部が陸上総隊へ改編されることが予想され、その所在地もキャンプ座間以外の所となることが有力視されている中では、近い将来「この自衛隊宿舎は一体何のため?」ということになりかねません。市長におかれましては、座間市の市是である基地恒久化解消、整理・縮小・全面返還に向けて全力を傾注されるよう、改めて求めておくものであります。

 次に、政策的妥当性の疑義がある事業として、市道4号線改良事業について指摘をして参ります。同事業は、第4次座間市総合計画戦略プロジェクトの一つにもなっているもので、将来的には都市計画道路座間南林間線市役所付近から県道42号線(相模原茅ケ崎線)までの1.6kmを県施行によって整備し、当面県道51号線(入谷バイパス)から0.4kmを座間市が整備するというものですが、以下の点で問題があると思っております。

 一つは、緊急対策として県道51号線から0.4kmを整備することについてですが、これが完成したとしてもここから市役所北側交差点までの整備はメドが付いていません。よってボトルネック状態となりかえって渋滞が発生する可能性があること。また二つ目として、この路線は県立谷戸山公園に隣接しており、環境保全及び景観保全上、特別の配慮を払う必要があると思われること。などの課題があります。

 さらに三つ目として当局は、この路線については圏央道厚木インターへのアクセス道路としての位置づけをしているようですが、果たしてその位置付けは正しいのでしょうか。当局が県施行、県道整備として要望している県道42号線から県道51号線に至る区間は、本市が長年にわたって多額の財政資金を投入し、地元住民の方々と協力しながら進めてきた鈴鹿・長宿街並み整備事業地域のど真ん中を通ることになり、良好な街並み環境が幅員20m級の道路によって完全に分断されることになります。それこそ、これまで本市が進めてきた都市計画との整合性が問われることは間違いありません。
 都市計画道路座間南林間線は、いずれにしても南林間駅前で行き止まりとなり、通過交通を処理する広域道路としては適しておりませんし、ご承知のとおり座間南林間線は現状でも朝夕渋滞が発生しております。こうした状況の中で、圏央道へのアクセス道路として位置付けるならば、更なる通過交通の市内流入をもたらし、生活環境の悪化を招くことが懸念されます。本市にとって必要なことは、いかに通過交通の市内流入を抑制するかという観点からの道路行政だと思います。以上の点から、市道4号線改良事業の事業執行については認めることはできません。

 次に、政策的妥当性に疑義がある事業として、当該決算年度において進められた環境基本計画についても指摘をしておきます。これもこれまで何度か指摘してきたことであり、詳しく繰り返しませんが、問題は、同計画において地球温暖化防止、低炭素社会実現を謳いながら、CO2削減量や再生可能エネルギー推進関連施策について、目標値が設定されていないことであります。これは環境基本計画においても、戦略プロジェクトについても同様であり、早急に是正するよう求めるものであります。

 次に、「費用対効果が認められない事業」についてでありますが、神奈川県市町村電子自治体共同運営事業費、住民票等コンビニ交付事業費、コンビニ・ペイジー収納関係経費については費用対効果が見込めないものと言わざるをえません。

 個別的な内容を見て参りますと、電子申請については2010年度以降、負担金、委託料などの関係経費は、年間約600万円から当該年度年間約76万円と大きく減少しておりますが、総申請件数のうち、最多は職員採用試験の応募申請275件、次いで粗大ごみ収集申し込みが207件、水道開始届が132件、職員採用試験履歴書送付が101件となっております。一方住民票の写し交付は、今年も0件、印鑑証明はわずか4件となっており、本来期待された電子申請の役割は果たしていません。ランニングコストの総額は、大きく減少したものの依然として1件あたりの経費は約900円、しかも総申請件数の約半分が職員採用試験関係という実態は、費用対効果から、さらにその必要性自体も問われるものであると言わざるを得ません。

 コンビニ交付事業では、当該決算年度住民票、印鑑証明の総交付数12万2786件に対し、コンビニ交付数は3404件で、総交付数に対する割合は2.7%と、昨年に比べ0.4ポイント増えているものの、初期投資額を除いたランニングコストだけで計算しても1枚あたりの経費は1824円で、窓口交付の約3.5倍、自動交付機の約7倍と、依然として高コストとなっており、適切な予算執行とは認められません。

 コンビニ・ペイジー収納に関しては、当該決算年度は本年度からの実施にあたっての準備経費として、約2000万円が執行されております。本年度5月からのスタートで、その実績値は明らかではありませんが、おそらく収納率の向上には寄与しないと思われます。徴税経費と収納率との関係からすれば、この間取り組まれてきた国税、県税OBの方々の活用をなど正規職員たる徴税吏員の適切な配置こそが、収納率向上にとっては最も効率的であると思いますので、コンビニ・ペイジー収納については、適切な予算執行とは認められません。

 次に、「事業の優先性に疑義のある事業」についてでありますが、当該決算年度で最大のものは、小中学校エアコン設置事業であります。この事業についても、すでに何回となく事業の優先性の問題については指摘をしておりますので、ここではその詳細については省略いたしますが、あえて一言だけ申し上げておきます。

 それは、行政事務の計画的推進という観点からするならば、公共施設利活用指針の策定、それに基づいての学校施設の長寿命化及び建て替えの判断と計画策定、その際に防災・減災体制の強化から、全小中学校への太陽光発電整備と蓄電池の設置を優先し、その後にエアコン設置というのが、本来の姿ではなかったかというのが私の考えであります。こうすれば、学校施設整備における二重投資を回避し、バックアップ電源を確保することによる防災・減災の効果も高く、かつエアコン設置後の電力料金の軽減という点からも、最も効率的な学校施設整備となったと思いますので、極めて残念であります。

 次に「事業執行にあたっての手続きに疑義がある事業」についてでありますが、事業名で申し上げるならば高座清掃施設組合運営事業費に関わるものであります。本市も構成団体の一つである高座清掃施設組合は、現在2019年度からの本格稼働を目指して、新炉建設の準備が進められておりますが、当該決算年度においても、本年度においても、新しい炉の方式、及び設計、建設、運営などについて施設整備検討委員会において決定されていないにもかかわらず、当該決算年度末である2014年3月に、高座清掃施設組合議会において、2015年度から2038年度までの限度額445億848万円の債務負担行為が提案され、可決しております。しかも、この債務負担行為は、DBО方式(Design Build Operate)によるものとされております。DBO方式とは「設計・建設・維持管理運営を民間事業者に一括発注する公設民間方式の一つで、民間から提供されるサービスに応じて組合が資金を負担します。民間が行う資金調達に比べ資金調達コストが低いためトータルコストが縮減されます」と施設組合は説明をしているようですが、先に述べましたように新しい炉の方式も、設計も、運営方法も決まっていない段階で、なぜこうした巨額の債務負担行為が決定されるのか、しかも議会をすんなり通過してしまうのか、驚きを禁じ得ないとともに、率直に言って理解できません。この債務負担行為は施設組合を構成する本市の分担金、すなわち本市の財政負担を規定するものでもあります。よって、こうした手続きを到底容認することはできませんし、施設整備の実施計画なく財政計画もない段階での債務負担行為設定は、明らかに手続き上の問題があると言わざるをえません。
 当局に対しては、債務負担行為の撤回を施設組合において求めること、さらには高座清掃施設組合議会のみならず、構成各市の議会や市民の間でも十分な議論ができるよう説明責任を果すこと、以上の点を強く求めるものであります。

 以上、2013年度の一般会計決算について、その評価及び指摘事項を申し上げて参りましたが、これをもって決算認定に反対する理由の説明として参りますので、議員の皆様に置かれましてはご賛同いただきますよう呼びかけるものであります。

国民健康保険事業特別会計決算の認定について

 次に、議案第39号座間市国民健康保険事業特別会計決算の認定について、反対の討論を行います。

 当該決算年度は、保険税率の改訂、すなわち値上げが行われた年でありました。改訂の主な内容は、平等割は据え置き、資産割を廃止した上で、医療給付分、後期高齢者支援金分、介護納付金分の所得割、均等割の税率及び額をアップするというもので、所得割は約19%、均等割は約10アップ、全体では調定額ベースで6.91%増、額にして1億8231万9千円の増を見込んだものでありました。

 そのうえで、決算ベースで税率改定前の2012年度と改定後の2013年度を比較すると、保険税収の増は1億3576万5千円。当該決算年度当初予算額と決算額との差額はマイナス約2億円、補正後の予算現額との差額でもマイナス約1億円となっております。

 収納率を見ると、現年分が87.2%、滞納繰越分が12.4%と共に0.3ポイント上昇するにとどまっていること。被保険者世帯は0.2%増、被保険者数は、マイナス1.3%減となっていることなどの条件を加味したとしても、これらが前年度との比較において、大きな影響を及ぼしているとは考えられず、税率改定を行ったにもかかわらず、保険税収が見込みより約5000万円ほど落ち込んでいるということは、おそらく所得割のベースとなる被保険者の所得が減少していると、言えるのではないかと思われます。

 一方、歳出を見て参りますと、保険給付費は97億352万1千円で、前年度より額にして約2億200万円の増加、率にして2.3%の増加となっております。歳入歳出における他の費目では当局の財政計画のアップ率とは違いが生じているものの、この保険給付費だけは見事財政計画どおり2.3%の増加となっております。当該決算年度では、前期高齢者納付金が6.0%増とみていたものが、3.7%にとどまったこと、介護納付金も7.0%増とみていたものが、6.2%となったことなどが歳出面では助かったと言え、その結果、歳入不足を補う法定外繰入金が前年度とほぼ同額の水準(+1.8%)となったわけであります。

 以上、国保会計の2013年度の決算数値を値上げの評価抜きに客観的に分析してみましたが、問題は、国保会計のこの現状をどう評価するのかということであります。値上げをすれど、保険税収は思ったほど伸びないという現実は、先ほども述べましたように、被保険者の所得の低下、すなわち担税力の低下と収納率の停滞が主な要因であると言えます。今回、当局は被保険者の担税力の低下という現実を十分に知りながら、値上げを行いました。一方、収納率に関しては、財政健全化計画策定時に現年分90%、滞納繰越分30%で計算し、かつ目標にも設定しておきながら、わずか1年でその目標を放棄すると同時に値上げをおこなったことは、行政の事務執行として、順序が逆であるしか言いようがありません。

 よって、当該決算年度の認定については反対するものでありますし、当局においては、保険給付費が増え続ける中、機械的な税率改定を繰り返すのではなく、まずは、公言した収納率の目標、現年分90%、滞納繰越分30%を達成されることを求めるとともに、そのことなしの値上げはありえないことを申し上げておきたいと思います。

 次に、議案第40号の公共下水道事業特別会計、議案第41号の介護保険事業特別会計、議案第42号の後期高齢者医療保険事業特別会計の決算認定について反対をするものでありますが、その理由については、当該決算年度の当初予算段階でも指摘しておりますので、ここでは省略いたします。

水道事業会計決算の認定について

 次に、議案第43号の水道事業会計決算の認定について、反対の討論を行います。

 決算審査にあたって提出された2013年度給水実績表によると、行政区域内人口、給水区域内人口、給水人口は、全て減少に転じております。ここ数年間の特徴は、微増ながらも給水人口等は増えながらも給水量は低下するというものでしたが、当該年度初めて給水人口等も、給水量も減となっております。
この傾向はおそらく長期にわたって続くものと考えられ、本格的な人口減少時代における水道事業運営のあり方が問われることは間違いありません。

 こうした中で、本市水道事業経営上の最大の問題が、宮が瀬系県水受水費であることは言を俟ちません。当該決算年度の受水費は約4億6000万円、給水原価の27.52%を占めております。この受水費は、基本料金と従量料金とで構成されておりますが、受水費総額約4億6000万円に対し、基本料金だけで約4億2800万円と受水費の93%を占めております。ご承知の通り、基本料金は受水量に関係なく支払いを義務付けられているものあり、従量料金は受水量に応じて支払う料金でありますが、宮が瀬系県水の特徴は、実際に使う水の量に関係なく支払が義務付けられている基本料金がそのほとんどを占めるということであります。

 当該決算年度を見て見るならば、地下水を含めた1日平均給水量は3万6933㎥、このうち県水は8910㎥で約24%、当年度は水源井戸の耐震工事により通常の15%と比べ比率が高くなっておりますが、それでも、その程度のものであります。しかし、宮が瀬系受水費の基本料金の計算では、3万7300㎥、すなわち1日平均水量をも上回る水量分の料金を支払っております。これは、基本料金の計算が、1978年、宮が瀬ダムに関わる基本計画が県議会において可決された直後に締結された神奈川県企業庁座間市との基本協定において配分水量が3万7300㎥を定められていることを根拠としていることによるものであります。

 つまり、本市は宮が瀬系県水を一滴も使わないとしても、現状では、年間約4億2000万円の支払いを強制されているわけであります。宮が瀬系県水の受水が開始されたのは、2001年。当該決算年度まで13年が経過しておりますが、この間の受水費の総額は約56億9000万円、もし基本料金が使った水の量に単価を掛けるものとすれば、その金額は約19億2000万円となり、一滴も使っていないにもかかわらず支払った料金の総額は、約37億7000万円にものぼるわけであります。まさに、「水に流した37億7000万円」であります。

 では、この法外な宮が瀬系県水受水費をいつまで払い続けなければならないのしょうか。都市環境常任委員会に審査において、こうした私の問いに対し、当局は明確な答弁をすることができませんでした。現状、宮が瀬系県水受水費基本料金の単価は、県企業庁もその構成団体の一つである神奈川県広域水道企業団の供給単価に基づいて設定されており、現状では宮が瀬ダム本体分が1立方あたり40.5円、宮が瀬2期工事の代替である寒川事業分が22.3円となっておりますが、これは本来の供給単価よりも安く設定されております。

 これは、広域水道企業団が、本来ならば総括原価方式により現金支出を伴わない減価償却費を含めるべきものを多額の減価償却費を総括減価に含めると、今以上に高い料金水準となることから、現金支出を伴う費用のみを計上するという資金ベースでの総括原価算定を行っているためであります。

 誤った水需要予測のもとに、全く無駄なダム建設を強行し、その多額な借入金返済と将来の施設維持・更新にとって必要な資金留保に窮し、その破綻を繰り延べしているとしか言いようがありません。
 こうしたことからすれば、この宮が瀬系県水の法外な料金設定は、おそらく今後何世代にもわたって、本市の水道事業並びに水道料金を支払う市民へ重い負担としてのしかかってくることは間違いありません。

 私は、本市水道事業経営上のまさにがん細胞となっている、宮が瀬系県水について、県企業庁との分水契約の見直しを含めた抜本的見直しを行わない限り、先の申し上げた人口減少時代における本市水道事業は立ち行かない、ということを申し上げ、水道事業会計決算認定の反対理由といたします。

2014年度一般会計補正予算について

 
 次に、議案第45号の2014年度の一般会計補正予算について、反対の討論を行います。

 主に2点について、反対の理由を説明いたします。一点目は、座間市土地開発公社に対する債務負担行為の設定についてであります。この債務負担行為の追加補正は、本市が県施行で整備を要望している都市計画道路座間南林間線の県道42号線から県道51号線までの区間の用地取得のためのものでありますが、さきほど一般会計決算の討論部分で申し上げましたように、都市計画上、鈴鹿長宿街並み環境事業との整合性が問われる施策であり、関係地権者をはじめ市民間での十分な議論が必要とされるものだと思う次第であります。また、本市が施行を要望している神奈川県の「みちづくり計画」でも、検討箇所となったばかりの区間であり、着工の具体的メドはたっておりません。こうした段階での土地開発公社による用地取得は、時期尚早であると考えるものであります。

 二点目は、民生費、社会福祉費、老人福祉費の「いきいき高齢者応援事業」を新規事業として追加する措置についてであります。私は、高齢者に敬意を払い、長寿をお祝いすることについては異存はありませんし、現行でも本市の事業としては「敬老祝金支給事業」があります。

 一方、今回のこの新規事業について、当局は「一定期間、介護保険サービスを利用しなかったあるいは長期入院をしなかった85歳以上の高齢者に対し、シルバー人材センター利用券などの報償費を支出する」と説明をされております。ここで問題となるのは、「介護保険サービスを利用しなかった」という基準であります。健康福祉常任委員会における審査で、私が「では、例えば介護認定において最重度の要介護5の判定の受けた方でも、家族介護により介護保険サービスを利用しなかった場合は、対象となるのか?」と質したところ、当局は「対象となる」とのことでありました。また、私が「これは介護保険サービスの利用抑制を奨励するのになりはしないか」という質疑に対しては、「そうしたことは考えていない」との答弁でありました。

 しかし、その基準において対象者を「介護保険サービスを利用しなかった高齢者」とするならば、行政が介護保険サービスの給付抑制を図り、家族介護を奨励していることになってしまいます。介護保険制度が始まった当時、旧厚生省はなんと説明をしていたかと言えば、「これからは介護の社会化。家族介護から社会全体で高齢者を介護する」「保険制度なので、これまでの『行政の措置』から『権利としての介護』となる」ということが繰り返し説明されておりました。

 ところが、高齢者数の増大により、介護保険給付費が大幅に増えてくると、「権利としての介護」はどこへやら、今度は給付抑制。要介護度の低い高齢者へのサービスを保険給付から除外し、市町村事業へ移行したりするなど「なるべく使わないでほしい」といわんばかりの姿勢に転換しています。

 そうした中で、この「いきいき高齢者応援事業」は、こうした国の給付抑制政策に乗っかり、「介護保険を使わない」ことを「美徳」とするようなものではないかと思えてなりませんので、その予算措置には反対をするものであります。

子ども子育て支援法関係条例について

 

 次に、議案第46号、議案第47号、議案第48号、議案第49号、議案第52号、議案第53号及び議案第54号の子ども子育て支援法関連の条例については、議案第52号座間市福祉事務所設置条例の一部を改正する条例については、妥当なものとして賛成をするものでありますが、その他の条例については反対をするものであります。

 以下、その理由を申し上げます。ここでは、あえて子ども子育て支援法そのものの妥当性については論じませんが、その是非は置くとしても法制定に伴う条例化措置として適正に欠けるものであると思います。子ども子育て支援法では、特定教育施設・保育施設及び特定地域型保育事業、家庭的保育事業、放課後児童健全育成事業の運営に関する基準については、国が定めた「従うべき基準」と「参酌基準」に沿って、市町村が条例で定めることを謳っております。

 ところが本市の条例案では、「運営に関する基準」を定める条例でありながら、条例には具体的な基準が書かれておらず、「趣旨」あるいは「一般原則」などの理念的部分しか条例で規定されておりません。一方、市町村の裁量的部分を多数含む具体的基準は、規則に委任されております。条例と規則との関係については、ご承知の通り条例は議会の議決事項であり、規則は議会の議決は必要とせず市長が定めるものであります。つまり、本市の条例案では、子ども子育て支援事業の具体的基準、しかも、これまで条例に明記されてきたものまで、条例から除外され、議決の対象とならない規則へ委任されているわけであります。

 まさに、地方自治が十分に発揮されるべきところが、議会の議決事項から外されており、到底認めることはできません。

 次に、児童ホームの運営費をこれまで所得に応じて月額2300円から6910円まで16段階の累進性がとられていたものを全て一律月額4700円に改めることについては、強く反対するものであります。今定例会を通じての議論で、この応能負担から応益負担へと変えることの意義について、結局、当局から説得力ある説明はありませんでした。あったのは、「直営で学童保育を行っている県内各市が全て応益負担だから」という答えだけであります。

 今回の改悪で、所得の低い層ほどその負担は重くなり最大年間2万8800円の負担増、所得の高い人層ほど負担軽減される(最大年間2万6520円の負担減)というアンバランスをどう保護者に説明しようとするのでしょうか。また、当局は、減免規定を新たに設けるとしておりますが、当局の想定している減免策を行ったとしても、給与所得100万円強の層でも年間28800円の負担増となる人々が存在することになるという事実をどう考えるのでしょうか。

 こうした改悪を含んだ条例案は、議会の良識によって否決されるべきものと考えますので、議員の皆様のご賛同を訴えるものであります。

その他の条例について

 

 次に、議案第50号中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例については、妥当なものとして賛成をするものであります。
 
 次に、議案第51号市税条例の一部を改正する条例についてでありますが、軽自動車や原付二輪車を狙い撃ちにし、まるでTPP交渉におけるアメリカの軽自動車たたきの露払いになるような法律改悪は認められません。よって、同条例案に反対するものであります。

 次に、議案第55号から議案62号までの道路認定議案、並びに議案62号の工事請負契約締結に関する議案については、概ね妥当なものとして賛成をするものであります。

請願・陳情について

 次に、請願第3号「義務教育に係る国による財源確保と、35人以下学級の着実な実施・進行を図り、教育の機会均等と水準の維持・向上並びに教育の保障に関する請願」については、請願者の請願理由、に賛同するものであり、賛成をするものであります。

 次に、陳情第27号「ウイルス性肝炎患者に対する支援を求める陳情」についてでありますが、陳情者が述べているように国の責任は重大であります。わが国には、B型肝炎患者が150万人、C型肝炎患者が200万人いるとされ、その多くが輸血や血液製剤の投与、不潔な医療行為によって引き起こされたものであります。

 B型肝炎については、集団予防接種による感染事例について、最高裁判決で国の責任が認められてところであり、C型肝炎についは、1970年代末には、血液製剤による感染が大きな原因であることは知り得たにもかかわらず、血液製剤の販売・使用を中止しなかった国と製薬メーカーは、厳しく断罪されなければなりません。

 よって、国に対してウイルス性肝炎患者に対する十分な支援策を講じるよう求める本陳情に賛成するものであります。

 以上で、ただ今議題をなっております議案並びに請願・陳情について、賛成及び反対の討論を終わります。