2024年2月 総括質疑

それでは、只今議題となっております議案のうち、議案第20号座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例について、質疑を行って参ります。今回もモニターを使用致しますけれども、議長から許可をいただいております。

 

国民健康保険税の改正内容

これが、今回の保険税条例の一部を改正する条例の改正内容です。ご覧の通り、医療給付費分、後期高齢者支援金分、介護納付金分とそれぞれ現行と改正後について表記されておりますけれども、まあ、これを見ても一体どのくらい上げるのか、なかなかイメージつきにくいと思いますので、後ほどモデルケースをお示ししていきたいと思っています。

 

改正理由

次に、これが改正理由です。みなさんご承知のとおり国民健康保険法の改正により、2018年度から都道府県が国民健康保険事業の財政の責任主体となりました。その上で、「神奈川県では、県内市町村の保険料(税)水準の統一に向け、令和18年度を完全一致の目標年度とし、令和9年度に医療費水準を納付金に反映させない納付金ベースの統一を目指している」と。

 

「本市においては、この県の方針に基づいて段階的に県の標準保険料率に近づけていくため、令和4年度の国民健康保険税率及び税額の改定において、令和6年度、」今回ですけれども、「神奈川県の示す標準料率と同額にすることとしましたが、県において激変緩和措置及び財政支援措置が講じられること及び被保険者への影響を鑑み、令和6年度保険税率及び税額を県の示す標準料率との乖離率及び乖離額の差が1/2となるよう改定します。」

 

これが今回の定例会の概要資料の中で示されている改正理由であります。

 

モデルケース(2人加入 45歳:所得300万円 38歳:所得40万円)

 

これは、モデルケースなのですが、「2人加入 45歳所得300万円、38歳所得40万円」というケースです。45歳の方については介護保険の第2号被保険者の分が含まれますね。38歳の方については、介護分が含まれないと。これを計算していくと、医療分が現行22万3900円から24万9400円に。後期分が現行8万2700円が9万7700円。介護分が現行の7万300円が7万9400円。合計で、課税合計額が42万6500円。現行が37万6900円ですから、プラス4万9600円。今回の改定で、これだけ上がるわけですよ。

 

これを経年的に見ると、2013年度からにしたのは、これ以前は資産割が入っていたのですね。資産割がなくなった以降で見ていくと、このケースでは、2013年度、今から11年前ですけれども、この時の保険税の総額は28万2200円。それが、2024年度では42万6500円ですから、14万4300円、率にして51.1%の値上げになっているのですよ。5割増えたという話ですよね。

 

 

前年度比でプラス4万9600円、13.2%の増。2013年度比でプラス14万4300円、51.1%の増。この負担増は、果たして適切なものなのか。まず、お聞きをしたいと思います。また、総じていうならば、今の国民健康保険事業において、被保険者の負担というのは、私は明らかに被保険者の担税力、税を負担する能力を超えるものではないかという認識を持っておりますが、当局側としては現行の国民健康保険税について、担税力を超えるものであるという認識はあるのか、見解を伺い、1回目の質疑としたいと思います。

 

<健康部長>

 

モデルケースの負担増についてですが、本条例改正は国の法改正に基づき神奈川県が神奈川県国民健康保険運営方針を策定し、本方針に基づく保険料水準の統一のロードマップに沿って、本市の国民健康保険税率及び税額を改定するものです。本市の国民健康保険財政の基盤を強化しつつ、また、被保険者へ急激な負担増とならないよう完全統一にむけ保険税率及び税額の改定を行ってまいります。

 

次に、被保険者の担税力を超えるものではないかとのことですが、被保険者への負担が増加していることは認識しております。国民皆保険制度を維持し、持続可能な制度とすべく引き続き国や県に抜本的な改革を求めて参ります。

 

 

<再質疑>

 

それでは、再質疑を行って参ります。まず、モデルケースですが、「この負担増は適切なものか」ということに対して、部長の答弁は「県の運営方針にしたがって、保険料統一のロードマップにしたがって、急激な負担とならないように」と。

 

ゆでガエル理論

 

みなさん、ゆでガエル理論ってご存じですか。熱湯にカエルを入れると、熱くてすぐに飛び出します。ところが、ぬるま湯にしておいて、徐々に温度を上げていくと、しばらくは耐えていて、最後は息絶えるという話です。これは比喩表現ですけれども、今の状態というのはゆでガエル状態ではないかと。つまり、上がることは上がるけれども徐々に上げていけば、ゆでガエル状態でまだ耐えれるだろうという風にしか思えません。

 

何のための定額減税

 

例えば、現行より4万9600円、年間約5万円ですよね。みなさんご承知のとおり、岸田政権がデフレ脱局、みなさんの懐をあたためるために、減税をやりますということですよね。所得税と住民税の減税4万円ですよね。まあ、このモデルケースの場合は、所得40万円の人を扶養者とみなせば今回の定額減税では8万円となりますから、8万円のうち5万円は保険料の値上げ分で消えていくわけです。

 

一方で所得300万円の単身世帯の場合の負担増はいくらとなるか計算してみますと、4万4000円なのですよ。単身者の場合はまるっぽ減税分が社会保険料の値上げで吸い取られてしまうという状態なのですよ。

 

これを見てもわかるように、2013年からわずか11年間で保険税が51%増ですよ。平均的な給与が51%上がっていますか。あるいは、給料が前年度13.2%上がっていますか。間違いなく保険税負担によって、可処分所得がなくなるわけですよ。これでは、景気が回復しないのは当たり前ということです。結局減税を行ったとしても、その分社会保険料で持っていかれれば、減税効果は全くないじゃないですか。

 

いろいろと私の意見を述べました。さっき、ゆでガエルと言いましたけれども、行政の立場としては神奈川県の方針に沿ってと言わざるを得ないと思いますが、当局の皆さん方にも考えていただきたいのは、保険税を支払っている被保険者の立場にたって考えていただきたい、ゆでガエルの立場に立って考えていただきたい、と思う次第です。

 

国や県に抜本的な改革を求めていくという答弁がありましたけれど、やっぱり制度上おかしいということを市当局のみなさんには認識していただきたいと思います、このままの状況で耐えられるわけないですよ。標準料率まで今回は値上げせず、乖離分の半分になっていますが、標準税率ならば、先ほどのモデルケースでは、さらに約5万円上がるわけですよ。

 

こうした状況に対して、抜本的改革を求めていくというならば、まず必要なことは、国が国費投入を大幅に増やすことですよね。私はそう思います。県に負担ができるか、市町村に負担ができるか。地方公共団体には通貨発行権がありませんから、国の財政金融政策によって国費の投入量を増やしていく、これしか道はないわけです。

 

私はそう思いますが、見解を伺っておきたいと思います。

 

<健康部長>

 

国に求める改革についてということですが、現在の国民保険制度は、被保険者数が減少傾向にありまして、年齢構成が高いことからも一人当たりの医療給付費が増加傾向にあり、このことが被保険者に税率を引き上げる形で負担を強いることになっていると思っております。

 

完全統一に向けた県の標準料率との乖離が大きいこと、現状のままならば今後広がっていくことも懸念されます。一方、被保険者の負担軽減が求められるということも理解しておりますので、制度の構造的な課題に対して、議員もおっしゃられたような国費の投入についても、抜本的な改革として行っていただけるよう、引き続き国に求めて参ります。