2016年第1回定例会討論

 それでは、ただ議題となっております議案、陳情のうち、2015年度の一般会計補正予算、各特別会計補正予算、水道事業会計補正予算及び2016年度の一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例、及び陳情ついて、賛成及び反対の討論を行います。

2015年度補正予算について

 まず、2015年度の補正予算についてでありますが、議案第10号の一般会計補正予算に反対し、議案第11号から議案14号までの各特別会計補正予算及び議案第15号の水道事業会計補正予算については、概ね妥当なものとして、賛成をするものであります。
 なお、一般会計補正予算に反対する理由は、社会保障・税番号制度システム、いわゆるマイナンバー制度に反対する観点から、その関係経費の支出に反対をするものであります。

2016年度一般会計予算について

1)内閣府の「月例経済報告」はこう読むべき

 次に、議案第16号。2016年度の一般会計予算について反対の討論を行います。先日市長は、2016年度当初予算の編成にあたっての考え方を述べられた際に、内閣府が先に発表した本年1月の月例経済報告の中身を引用されました。具体的には、以下のようなものでありました。

 「景気動向について、『景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている』とした基調判断を示し、『先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、アメリカの金融政策の正常化が進むなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。こうしたなかで、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある』」

というものであります。

このような政府の基調判断を、市長はどのように評価されているのかは承知しておりませんが、私は、次のように読むべきだと思っております。

 「『景気はこのところ、株高と円安だけに依存してきたアベノミクスの失速が続いている』という基調判断のもと、『先行きについては、雇用・所得環境については、トリクルダウンなどというものはあり得ないということが多くの国民に明らかになりつつあるので、消費税税率10%への引き上げ断念や、5%への引き下げというウルトラCも、選挙対策として視野にいれつつ、アベノミクスの破たんを隠ぺいすることが期待される。その際には、中国の景気下振れの影響のせいにすればよい。こうしたなかで、金融資本市場の怖さを思い知った年金資金30兆円の損失が、ばれないように留意する必要がある』」

といったところでしょうか。

2)アベノミクスはいかに座間市の財政に影響しているのか

 まさにこの方が、事実に即した、適切な景気動向分析となろうかと思いますが、アベノミクスの失敗は2015年度補正予算、2016年度当初予算を見ても、、確実に本市の財政にも反映していることがわかります。

 2015年度の一般会計補正予算において、市民税全体では1647万9千円の増額補正となっておりますが、個人市民税は1億1714万2千円の減額補正となっている一方で、法人市民税は1億3362万1千円の増額補正。しかも、法人市民税は昨年の9月定例会において5億3926万5千円の増額補正をした後に、更に今回の増額補正ですから、2015年度当初予算額9億7050万円からすれば、今回の補正で額にして6億7288万6千円、率にしてなんと69.3%増となっております。

 また、2016年度の一般会計当初予算でも、個人市民税は前年度比-2.1%、額にして1億5888万3千円の減となっている一方で、法人市民税は+52.6%、額にして5億1010万円の増と補正予算と同様の対比が示されております。そして、当局の説明では個人市民税の減については、「一人当たりの所得金額が減少したことによる減」、法人市民税の増については、「大企業を中心とした業績の回復」とされております。

 まさに、「ごく一部の大企業のみが潤い、市民の所得は減少する」というアベノミクスの実態が如実に示されているのであります。

3)2016年度座間市一般会計当初予算の特徴

 では、こうした景気動向の中で提案された座間市の一般会計当初予算の特徴を概括すれば、まず第一に、市政史上最大となる総額414億1450万1千円という規模が挙げられると思います。前年度当初予算対比で、+5.2%、額にして20億4835万3千円の増となっておりますが、歳出では、目的別経費では民生費(+19億1664万3千円)、性質別経費では扶助費(+13億5113万6千円)の増が最大の要因となっており、特に障害者福祉費の増が顕著になっております。またこのことは、歳入では、歳出における扶助費の増に伴う、国・県の負担額の増による「国庫支出金」「県支出金」の増となり、予算規模を大きく押し上げております。

 第二の特徴は、先ほど述べましたようにアベノミクスの影響を受け、歳入においては市税では個人市民税が減少する中、法人市民税の大幅増、さらに配当割交付金、株式譲渡所得割交付金の大幅増という形でその影響が見られます。

 そして、第三の特徴は、同じく歳入において消費税の8%への増税による地方消費税交付金の伸びが顕著になってことであります。

 以上の三つの特徴のうち、第一の特徴である扶助費の増高については、少子高齢化社会の進行の中では不可避なものであり、必要な経費であると思う次第であり、また、今年の特徴である障害者福祉費の大幅増は、これまで毎年のごとく年度途中での大幅補正が繰り返されてきたことから、前年度実績に基づく予算計上から、伸び率を見込んだ計上へとしたことは、妥当な措置として評価をするものであります。しかし、第二、第三の特徴については、アベノミクスと消費税増税という中央政府の政策展開によって生じたものであり、地方自治体に与える影響としては、今後の景気動向との関係で、注意深く見ておかなければならないと思う次第であります。

4)バクチで30兆円すった政府が、3000億円をばらまく

 では、こうした特徴を持つ一般会計当初予算について、私が反対をする主な理由について、申し上げて参ります。

 まず、福祉部所管の臨時福祉給付金等給付事業費についてであります。本事業は、行政事務の分類としては、国からの法定受託事務ではなく、自治事務でありながら全額国庫補助によるもので、低所得の年金生活者等に対して、対象者一人あたり3万円を今年7月に予定されている参議院選挙前に給付するというものであり、本市の当初予算では、臨時福祉給付金と合わせて5億1802万円が計上されております。

 すでに多くの人々から、参議院選挙を前にしたアベ政権による国家的買収行為に他ならないという的確な指摘がされておるところでありますが、さらに付け加えれば、株価だけが景気のバロメーターと信じて疑わないアベ政権は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式運用枠を拡大し、国民の支払った年金保険料を市場の株高を演出するために使ってきました。そして、その結果、国民の年金資産約170兆円のうち、30兆円以上の損失を出すという大失態と犯しております。

 まさに、国民から預かっている年金資産を、バクチにつぎ込んで30兆円もすったにもかかわらず、今度は選挙前に3000億円をばらまくというのは、尋常な感覚ではなしえるものではなく、到底認めることはできません。よって、本事業に関する経費の支出に反対をするものであります。

5)毎年毎年膨れ上がる新消防庁舎建設事業費

 次に、消防本部所管の新消防庁舎建設事業費についてであります。市長は、先日の提案説明において「総合計画の実施計画事業を最優先として、すべてを網羅した予算」と述べられましたが、実施計画の財政見通しの額を大きく上回ったのが、この新消防庁舎建設事業費であります。

 2016年度当初予算では、4億9401万円が計上され、新年度より工事が着工されることとなりますが、以下の点を指摘しておきたいと思います。

 まず第一には、議会審議にあたって新消防庁舎の実施設計の詳細が明らかにされていないことであります。実施設計は2015年度予算において委託契約が行われているにもかかわらず、成果物が公表されておりません。実施設計の詳細が明らかにされていない状態では、工事予算の妥当性を議論することはできません。こうした手法は、本市においてはこれまでも繰り返されてきており、予算審議の形骸化をまねくこととなりかねませんので、厳しく指摘をしておくものであります。

 次に、第二の指摘事項としては、先ほども申しましたように事業費の総額が、2015年2月に策定された実施計画から30%近く膨らんでいることであります。現段階での総事業費は、設計委託料、監理委託料、工事費、用地購入費合わせて3ヵ年で、28億1144万7千円。昨年2月の実施計画から約6億2000万円も増加しております。

 施設の工事費で見て参りますと、基本構想段階では約16億3400万円だったものが、基本計画段階では約18億円へ。さらに基本設計段階では約20億6700万円だったものが、現段階では約24億1200万円と、わずか4年の間に16億3400万円から24億1200万円と5割近く膨れ上がっているわけであります。

 施設の内容も、基本計画段階では3階建て、延べ床面積約4000平方メートルとされていたものが、現在では4階建て、訓練施設も含めると延床面積は5240平方メートルと増えております。

 このように、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計と事業の詳細が明らかになるたびに、事業費が拡大しており、果たしてこれが、基本構想で定めた「経済性を考慮した施設」なのかと言わざるを得ません。

 次に、第三の指摘事項は防衛省補助金の問題であります。新消防庁舎建設事業における事業費の大幅な伸びの背景には、防衛省補助金、すなわち「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」に基づく、8条交付金(民生安定施設の助成)、9条交付金(特定防衛施設周辺整備調整交付金)が大きく影響していることは言を俟たないところでありましょう。

 当初、当局は新消防庁舎建設にあたって、座間市が9条交付金の交付対象となったものの、同交付金が公用施設には適用されないことから、新消防庁舎の中に「防災拠点の整備」という名目で、公共スペースを設け、同交付金を建設費の一部として充当するという、いわば「裏ワザ」的な手法により、市の財政負担を軽減するとしておりました。その後、座間市防衛省との「良好な関係」が功を奏したのか、8条交付金の適用を受けることとなり、建設工事費の約35%にあたる8億5000万円ほどが、同交付金として交付される見込みであるとのことであります。

 8条交付金が交付対象となることは、本市にとってみれば、市債や一般財源の投入を軽減できるというメリットがあることは確かでありましょう。しかし、市長並びに当局は、本来想定されていた施設規模、事業の見込み額を大きく上回る設計へと変更し、総事業費を膨らませたわけであります。

 確かに一般論として、消防庁舎及びその付帯施設において、財政的制約がなければ、充実させることにこしたことはないでしょう。しかし、建設工事費において、当初計画から8億円近くも増加しており、もし、当初計画どおりの施設規模であったならば、その分の市債や一般財源をその他の事業へ充当することが可能であったはずであります。

 よって、新消防庁舎建設事業には同意するものでありますが、その規模と財政の資源配分の観点から、今回の予算措置には反対をするものであります。

6)続 市長給与の大幅なアップをめぐって

 次に、人件費、その中でも市長など常勤特別職の給与についてであります。

 先日の一般質問において、市長の所見を求めましたが、時間の都合で、十分に私の意見を申し上げることができませんでしたので、この際ですから、市長の発言に対して、私の反論を述べておきたいと思います。

 市長の具体的な発言をもとに、以下、私の意見を申し上げて参ります。

 まず、私が今回の常勤特別職や市議会議員の期末手当支給率のアップについて、人事院勧告に準拠するというならば、その内容は勤勉手当のアップであって、勤勉手当を支給されていない常勤特別職や市議会議員に当てはめるのは妥当性に欠いているという主張に対して市長は、「議員の主張をそのとおりとするならば、期末手当支給割合から勤勉手当分を引き下げるべきということになる」と述べられ、さらに「ではなぜ、27年の夏の支給分について勤勉手当合算分の期末手当を受け取ったのか」と、おっしゃられました。

 それに対する私の意見を端的に申し上げるならば、そのとおり、常勤特別職及び市議会議員の期末手当支給割合から勤勉手当分を引き下げる措置をとられればよろしいかと思います。

 一方、「なぜ、受け取ったのか?」に関しては、では、逆にお聞きしたいものですが、受取を拒否することが法的に可能でしょうか?例えば、値上げ分の受取を拒否し、市へ返還するとすれば、それは市への寄付行為にあたり、公職選挙法に抵触する可能性が大であります。法的には不可能であるにもかかわらず、「なぜ、受け取ったのか」とするのは、議論の作法としてはいかがなものかと思う次第であります。

 次に、私が、市長給料のアップ分が、2014年3月段階と比べると21.3%増、額にして月額16万2千円アップに対し、一般職職員の給料は、昨年度は平均マイナス1.84%、今年度は、平均プラス0.38%、平均額では、月額わずか694円であるということ。さらに市長の期末手当は、2013年度と2015年度との比較では、135万6299円の増となっている一方で、一般職職員は、平均6万9000円にとどまっていることを示し、「あまりにも均衡に欠けざるを得ません」と主張したことについて、市長は、「性質や背景の違う一般職の給与と常勤特別職の給与を単純に額や率だけを取り上げて論じるのは不適切」と述べられました。

 これについては、市長がおっしゃるとおり一般職の給与と常勤特別職の給与は、その性質においても、給与体系においても異なることは十分承知しております。しかし、その上で、両者の均衡性を論じるのは不適切なのでしょうか。

 一昨年、常勤特別職及び市議議員の給料及び報酬の引き上げについて審議をしていた特別職報酬等審議会の議事録を読むと、委員より、次のような意見が出されています。「特別職の報酬を考える時に、バランスとして一般職の動向もあると思う」また、別の委員からは、「一般職とのバランスというのも、ここで整合性がとれていくだろう」と述べられており、同審議会の審議において特別職と一般職の給与のバランスが議論されていることがわかります。

 また、同審議会に提出された市作成の資料の中には、「常勤特別職と一般職の最高支給者との給与の比較」あるいは過去17年間にわたる「一般職の給与改定状況」という資料があり、特別職と一般職の給与のバランスが議論され、考慮にいれられていることは明らかであります。

 私は、同審議会の答申内容について、同意するものではありませんが、市長が「論じるのは不適切」とおっしゃった常勤特別職と一般職との均衡が、同審議会では論じられていることをしっかりと認識されるべきであります。

 次に、市長が「「特別職給料の削減措置は、報酬審議会の意向にそむいて独自の判断で削減するものなので、これ自体が不均衡。減額する場合は、年度を区切り、なぜそういう判断をするのか説明し、ご理解をいただくことが必要だが、元へ戻すのは、本則に戻すのであるのから、特に説明をする必要がない」とおっしゃったことについてであります。

 これについては、何度も申し上げておりますが、まず、自分自身の不明を恥じなければならないと思っております。それは、市長が常勤特別職給料を、条例本則上の規定からの減額を条例附則で規定していた期限を失念し、2015年の給与引き上げの際には、東日本大震災による臨時特例減額措置は終了したものの、独自削減分については、未だ減額措置が続いているものと認識していたことであります。

 しかし、私の不明を認めた上で、指摘せざるを得ないのは、なぜ独自減額措置を止めたのかということであり、その説明責任であります。市長のおっしゃられていることは、要は「減額するときは説明をするが、止めるときは、元にもどすのだから特に説明の必要はない」ということですが、それが最大の問題であります。

 減額の理由は、本市の財政状況を鑑みての決断であったわけですから、減額を止める際には、「このように財政状況は好転した」と、その判断根拠を示すべきであります。それが説得力あるものならば、市民も納得をするでしょうが、それなしにいつの間にか市長給料が大幅にアップされていたということでは、先ほどの補正予算や当初予算で示されているように、市民の所得が減少し、個人市民税がマイナス計上となっている中、さらに、各種社会保障に関する市民負担が増大しているなかで、市長を始め常勤特別職の給料だけが大幅に引き上げられるというのは、市民感情としても納得がいかないところではないでしょうか。

 以上の述べてきたような理由により、人件費のうち、市長など常勤特別職の給与及び市議会議員の報酬に関する支出について、反対をするものであります。

 その他、各部局の事業予算において、事業の目的そのものが妥当性に欠けるもの、あるいは事業目的は適切なものであっても、目的達成において有効性に欠ける予算措置が少なからずありますが、ここではこの程度にとどめ、2016年度の一般会計予算に反する討論としたいと思います。

国民健康保険事業特別会計予算及び国民健康保険税条例の一部改正について

 次に、議案第11号、2016年度の国民健康保険事業特別会計予算、並びに議案第41号、座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。

 今回市長は、2013年3月に引き続き国民健康保険税の引き上げに関する条例並びに予算案を議会に提出されました、具体的には、所得割現行7.8%を8.7%へ0.9%の値上げ、均等割を2万9500円から3万2000円へ2500円の値上げ、平等割を2万8200円から2万9600円へ1400円の値上げ、賦課調定額ベースでは7.68%、額にして1億9964万6千円の増税という内容になっております。

 この値上げは、前回2013年と同様に、第2期国民健康保険事業財政健全化計画を策定し、2016年度から2018年度までの財政収支見通しを行ったところ、16億3800万円の不足額が生じるとして、今回の保険税の値上げ提案に至ったと説明されております。

 では、私の評価並びに反対理由を以下、申し上げて参ります。

 まず、2015年度に策定された第2期国民健康保険事業財政健全化計画についてでありますが、まず、評価すべき点を申し上げます。それは、財政収支の見通しにおける各歳入・歳出科目の試算において、前回とは異なり、過去の実績に基づく平均値で試算したことです。このことは、私が2013年3月議会において指摘をしたところでありますが、変動の大きい国保財政において、その財政推計は確かに難しいものがありますが、常識的な数値で試算したことは率直に評価をするものであります。

 しかし、再び指摘をしておかなければならないのは、財政収支見通しの起点である数値を前回同様、当初予算、今回の場合は2015年度当初予算にしていることであります。前回も指摘しましたが、変動要素の高い当初予算数値を起点とするのではなく、確定した決算数値を起点とするのが妥当なはずであります。今議会においても2015年度の国保会計補正予算で、保険税収入は1億8300万ほどの減額補正をし、法定外繰入金を約4300万円ほどの増額補正をしておりますが、前回はおよそ実現不可能な、(現在でも達成されていませんが)収納率現年分90%、滞納繰越分30%で予算計上し、意図的に法定外繰入金を低く見積もり、その低く見積もった法定外繰入金を3ヵ年固定した財政収支の不足額を算出するといった、いわば数字の操作によって不足額の水増しを行っていました。

 これは、保険税値上げの是非以前の問題であります。本来なら比較的妥当な推計数値を基に、客観的に本市の国保財政を見通した上で、そのギャップを埋めるためにどうように対処するのかということが当局側に問われていたはずにもかかわらず、こうした手法は、適切かつ建設的な議論を妨げるものと言えますので、改めて指摘をしておくものであります。

 次に、今回提案された具体的な保険税値上げ案について、指摘をして参ります。

 ここでもまず評価すべき点が申し上げます。それは、今回の保険税の税率改定を区分別に見て参りますと、医療給付費分については、所得割を0.3%引き上げる一方で、均等割を900円減額、平等割を2000円減額しており、これは国保加入者の低所得化が進行する中で、所得割部分の税率を引き上げ、所得に関係なく賦課される均等割、平等割を減額するというのは、妥当な措置であると評価するものであります。

 しかし、この所得のある方々へ負担増をお願いし、所得の少ない方々の負担を軽減するという考え方が、後期高齢者支援分、介護納付分には貫かれておりません。後期高齢者支援分では、所得割は医療給付分と同率の0.3%引き上げるものの、均等割は2200円の増、平等割は2000円の増となっており、介護納付分も所得割は0.3%の引き上げ、均等割は1200円の増、平等割は1400円の増としていることは、評価することはできません。

 市長も、当局も認めるとおり、本市の国保加入者の所得水準は、県央地区の他市と比べても低く、担税力も弱いものがあります。ならば、法定外繰入金を必要額確保するか、あるいは値上げをせざる得ないとすれば、比較的担税力のある所得割が発生する方々への税率、すなわち所得割の税率を引き上げ、均等割、平等割額を固定または引き下げるのが、とるべき必要な措置ではないかと思います。

 もちろん、これは国の財政負担が著しく低下していること、かつ国保財政が抱える構造的問題の解決が根本問題としてあるということを前提として、現状の中で地方自治体の取り得る選択肢の問題として指摘しておるものであります。

 以上のような点から、2016年度の国民健康保険事業特別会計並びに座間市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対をするものであります。

陳情について

 最後に、陳情についてありますが、ただ今議題となっております全ての陳情について、その趣旨に賛同し、賛成をするものであります。

 特に、陳情第52号、53号の消費税増税中止を求める意見書の提出を求める陳情については、安倍政権ですら「柳の下の二匹目のどじょう」を狙った消費税10%への増税中止や、あるいは選挙に勝つために政策などどうでもいいとばかりに、「消費税5%」への引き下げといったアクロバットまで考えているのではないかということが、まことしやかに語られておりますので、議員のみなさまに置かれまして、ここは自らのご判断で、現下の経済状況で消費税を増税した場合、どうなるのかを真剣にお考えいただき、陳情に賛成されるよう求めまして、私の討論を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。