2023年6月 討論

 

それでは只今議題となっております議案及び陳情について、賛成並びに反対の討論を行います。

 

保育所待機児童解消に全力を!

 

まず、議案第33号の2023年度一般会計補正予算(第4号)について、賛成討論を行います。本補正予算については、概ね妥当な措置として、賛成をするものでありますが、一点のみ指摘をしておきたいと思います。

 

今年も待機児童県内ワースト1位

 

補正予算では、民間保育所整備助成事業費2661万7千円の増額補正が措置されております。これは、本年度4月1日現在の本市の保育所待機児童数が、昨年度と同じ50人となったことから、特に待機児童の多い3歳未満時の定員を拡大するため、新たに小規模保育施設を公募し、整備するためのものであります。ちなみに、本定例会開催中の本年6月19日に、神奈川県が公表した2023年度4月1日現在の県内保育所待機児童数では、本市は4年連続県内ワースト1位となっております。

 

本市の3歳未満時の保育所定員の拡大は、本年度、緑ヶ丘もえぎ保育園と相武台地区での小規模保育施設の開設により、47人の定員増を行いましたが、結果は、2022年度と同じ50人の待機児童数となっており、保育の需要に対し供給量が追いついておりません。

 

来年度に向けての定員拡大では、ちぐさ保育園の建て替えで19人、ひばりが丘地区での小規模保育施設の開設で19人、そして今回の補正予算で公募する小規模保育施設は12人~19人とのことですから、合計50人~57人の3歳未満時の定員拡大となりますが、これにより、来年度待機児童数が0となるのかどうかは不透明であります。

 

「空白の10年間」のツケは大きい

 

本定例会における審議の中で当局は、本市の3歳未満児の保育の供給量は、県央他市と比べて少ない現状にあることを明らかにしました。10年前に保育園整備計画を策定し、公立保育園の建て替えによる大幅な定員拡大を掲げながら、前市長時代にはほとんど手つかずの状態で、保育所整備が遅れたいわば「空白の10年間」のツケは、あまりにも大きいと言わざるを得ません。

 

保育園整備計画の見直しを

 

現行の保育園整備計画は、2020年度~2024度までの5ヶ年の計画となっておりますが、計画を早急に見直し、次期計画の策定にあたっては、確実に本市の保育所待機児童がゼロとなるような、意欲的な保育所整備計画を策定することを求めます。まずは、保育所待機児童の解消を第一の優先課題とし、その上で、一時預かりや保育士の加配等、様々な保育ニーズに対応することができる保育サービスの充実に力を尽くしていただきたいと思います。

 

マイナンバーカードに係る条例改正に反対!

 

次に、議案第34号から議案第36号までの条例の一部改正についてであります。議案第34号座間市市税条例の一部を改正する条例及び議案第36号座間市火災予防条例の一部を改正する条例については、概ね妥当な措置と認め、賛成をするものでありますが、議案第35号座間市印鑑条例の一部を改正する条例については、反対をするものであります。以下、その理由を申し上げます。

 

座間市印鑑条例の改正は、法改正によりマイナンバーカード所持者の電子証明書スマートフォンへの搭載が可能となったため、スマートフォンを使って印鑑証明のコンビニ交付ができるように、条例を改正するものであります。

 

マイナンバー トラブル続出

 

しかし、昨今、全国的にマイナンバーカードをめぐる深刻なトラブルが次々に明らかとなっており、マイナンバーカードに対する国民の信用は地に落ちていると言っても過言ではありません。

 

これまでに明らかになったものだけでも、住民票や印鑑証明などのコンビニ交付における誤交付が27件。マイナ保険証に別人の医療情報が誤登録されていたものが7312件。公金受取口座の誤登録が21件。さらに公金受取口座を本人外の家族名義で登録されていたものが約13万件。マイナポイントが別人に交付されたものが121件。などとなっております。

 

政府の拙速な施策のツケが

 

これらのトラブルの根底にあるものは、政府が「全国民にマイナカードを行き渡らせる」という掛け声のもと、交付率をあげるために総額2兆円を超える予算を投じたマイナポイントや、従来型の健康保険証の廃止などの施策を遮二無二に推し進めてきたことにあります。そして、こうした強引かつ拙速な施策のツケが、ここにきて一気に噴き出したと言わざるを得ません。

 

マイナンバーカードシステムの制度上の不備やトラブルの全容解明は未だ途上であり、こうした状況の中での本条例の改正については、反対をするものであります。

 

次に、議案第37号「損害賠償の額を定めることについて」、議案第38号「市道の路線の認定について」、議案第38号の2023年度一般会計補正予算(第5号)及び議案第40号「財産の取得」については、概ね妥当なものであると認め、賛成するものであります。

 

陳情2件に賛成

 

次に、陳情についてでありますが、陳情第51号「透析患者の通院への助成についての陳情」に賛成の討論を行います。

 

本陳情は、市に対し、週3回の透析患者の通院に必要なタクシー代やガソリン代を助成することを求めたものであります。

 

本市では、透析患者に特化したタクシー代等の助成制度はありませんが、障がい者等を対象としたタクシー券、ガソリン券支給事業が行われています。対象者は、身体障害者手帳1級・2級(ただし、内部障がいは1級のみ)、療育手帳A1・A2又は知能指数35以下、精神障害者保健福祉手帳1級・2級・3級、指定難病罹患者及び小児慢性特定疾病罹患者に対し、タクシー代又はガソリン代の補助として月額1000円、年最大12000円が支給されております。なお、精神障がい者に対しては、バス回数券としての利用も可能となっております。

 

他市との支給額の格差解消を

 

透析患者の方々は、本市の現行の制度上では、身体障害者手帳内部疾患1級の方が対象となっておりますが、県央他市の同様の制度を比べてみますと、支給額において大きな差が開いていることがわかります。

 

本市の年最大1万2000円に対して、綾瀬市は2万円、海老名市、大和市は2万4000円、厚木市は2万8800円、相模原市は3万6000円と、概ね2倍から3倍の差があり、他市との格差が生じていることは間違いありません。早急にこの格差を解消するためにも、本陳情を採択する必要があると考え、賛成をするものであります。

 

次に、陳情第57号「公園・子供広場にできるだけトイレを新設することを求める陳情」については、陳情趣旨に賛同し、採択すべきものとして賛成をするものであります。

 

以上、ただいま議題となっております議案及び陳情について、賛成並びに反対の討論を行って参りました。皆様方のご賛同をよびかけ、討論を終わります。