2022年12月 一般質問

1.行政組織条例の一部改正に伴う危機管理対応について

 

2.職員定数条例の一部改正について

 

3.有機フッ素化合物汚染について

 

4.ワンストップサービスについて

 

 

1.行政組織条例の一部改正に伴う危機管理対応について

 

一般質問の第一点目のテーマは、「行政組織条例の一部改正に伴う危機管理対応について」であります。

 

本条例改正案は、第五次座間市総合計画基本構想に示されている政策・施策を推進するために、本市の組織機構を改めるものでありますが、私自身は。去る11月17日に開催されました議会運営委員会において、今定例会の議案書が配布されたことにより、その内容を初めて知ったところであります。ところが、特定の市民の方が、事前にその内容を承知していたと思われることが明らかとなりました。

 

本定例会に「本市の災害即応体制の堅持を求める請願」を提出されている請願者が、私の知る限りではありますが、2名の市議会議員に対し、同請願への賛同の依頼を行った際に「今度の組織改革で危機管理課が市長室からはずされる。危機管理課は市長直轄であるべき」という話をしていたとのことであります。

 

本条例改正案と参考資料として添付されております座間市行政組織図(案)を見ますと、確かに市長室はなくなり、危機管理課は新たに新設される「くらし安全部」に属することとなり、請願者のおっしゃっていたとおりとなっております。

 

なぜ、請願者は事前にこの内容を知っていたのでしょうか。通常はあり得ないはずのことだと思います。請願者は市内のNPO法人の代表であり、当該NPO法人は、これまで市の防災・減災事業において、市と協働での取り組みを行ってきた団体でもありますから、事前に新たな組織編成案をお示しし、意見聴取を行ったということなのでしょうか。しかし、本市には当該団体以外にも、様々な市民協働を進めてきた団体がありますが、それらの団体に組織編成に係る検討案を提示し、意見聴取をしたというようなことは、聞き及んでおりません。

 

そこで、お聞きするものでありますが、市長又は市当局において、本条例改正案の検討段階において、新たな組織編成案を、市民活動団体又はその代表者等に、情報提供を行ったということなのでしょうか。それとも、職員の誰かが、個人的にこの情報を請願者に提供したということなのでしょうか。説明を求めるものであります。

 

市長

 

私、又は本市として情報提供したことは、ございません。

 

再質問(要旨)

 

  • 例えば、今回の組織機構の改革案についても、施策に係る関係団体や市民に事前に案を提示し、意見を求めることは何の問題もないと思っている。問題なのは、そうした情報が特定や団体や個人にのみ、提供されるということ。
  • 今回は、市長又は当局から正式な情報提供はなかったということから、職員が個人的に情報を提供したのではないかと推察されるが、市と関わりのある団体や個人であったとしても、情報提供については、公正に行われるように徹底してほしいと思うが、見解を伺う。

 

市長

 

私も、情報の取扱いにつきましては、特定の市民活動団体や個人だけに情報提供することは慎むべきだと考えております。しかしながら、その事案によっては情報提供を行う場合もあるかと存じます。情報提供につきましては公平に対応がなされるべきものだと理解しております。

 

 

次に、現行の危機管理に関する組織体制とその運用についてお聞きします。なお、念のために申し添えておきますが、請願の審査は付託された常任委員会において行われることとなりますので、ここでは請願書の文中において示されている見解について、これまでの危機管理に関する組織運用という観点から、いくつか確認をさせていただきたいと思っております。

 

請願書では、「県内の政令市を除き、比較的早期に国や県の指針に沿って危機管理に関する任務を円滑かつ効果的に行うことを目的として、『首長直轄運用方式』の組織に改められた。」と記されております。

これは、2016年(H28年)の機構改革によって、危機管理業務が首長直轄運用方式に改められたという主張なのですが、当時、そのような説明が市長又は市当局から示されていたという記憶が、私にはありませんでしたので、会議録を確認してみました。

 

座間市議会の会議録検索システムで「首長直轄運用方式」というキーワードで検索したところ、このような画面が表示されました。

ご覧のように、「首長直轄運用方式」というキーワードは、過去の会議録において、本会議、常任委員会を問わず、市長はじめ当局側も、議員側も、誰もこの言葉を使用した者がいない、という結果が分かった次第であります。

 

また、念のため「市長直轄運用方式」というキーワードでも検索してみましたが、見つかりませんでした。

そこで、お聞きするものでありますが、現行の本市の危機管理に関する組織体制は、「首長直轄運用方式」なるものを採用しているのでしょうか。見解を伺うものであります。

 

市長室長

 

首長直轄運用方式の定義は明らかではございませんが、現在の組織体制は、平成28年4月から運用されており、当時の状況に鑑み、渉外機能、広報機能等を組織的に集約したものと認識しております。

 

再質問(要旨)

 

  • 首長直轄運用方式の定義が明らかではないとのことだが、確かに何をもって首長直轄運用方式と呼んでいるのか定かではない。
  • おそらく請願者は、市長室に危機管理課が属することをもって、「首長直轄」と言っているのではないか。
  • もし、市長室を市長直轄というならば、教育委員会などの独立行政委員会や上下水道局のような公営企業を除いて、市長の事務部局は全て市長の直轄ということになる。私はそうした認識だが、どうか。

 

市長

 

市長事務部局は全て首長直轄であるという認識でおります。

 

 

さらに、国や県の指針に基づいて「首長直轄運用方式」を採用したと読み取れますが、国や県の指針において「首長直轄方式」は推奨されているのでしょうか。説明を求めるものであります。

 

市長室長

 

首長直轄運用方式が、明確に示されている通知や資料等は確認できておりません。

 

 

また、請願書では「首長直轄運用方式は、現在、内閣府が公表する『防災に関する標準テキスト(危機管理職員 研修用)』にも記載され、多くの自治体が採用しており、標準の組織編成となっている」という記述もありますが、それは事実なのでしょうか。記述部分を承知されているようであれば、お示しいただきたいと思います。

 

市長室長

 

平成19年3月に内閣府が公表している防災に関する標準テキストでは、首長直轄運用方式と言った記述は、確認できませんでしたが、自治体の災害対応組織の基本型として「指揮者は首長等が就任する」との記載がされていることは、承知しております。

 

 

次に、請願者の請願理由のところには、「令和元年10月12日の台風19号による城山ダム緊急放流に際して市民への避難勧告発令についても市長の下で市長室の指揮により関係部局と意思疎通を図りつつ、避難した市民約1,000名をあらかじめ準備した避難所へ円滑に受け入れることができた。これも首長直轄運用方式の成果だったと評価している。」という記述があります。

これは、2019年10月12日の台風19号の際の本市の対応について、述べているようなのですが、基本的なところで事実誤認があるように思われます。

 

これは、2019年11月28日の本会議における当時の遠藤市長の発言ですが、「台風19号における本市の対応は、今までの台風に対する体制に加え、城山ダムからの緊急放流による河川氾濫の事態に備え、災害対策本部を設置し、浸水想定区域の住民に対して避難勧告を発令しました。」とあるように、災害対策基本法に基づく災害対策本部を設置しております。この際の災害対策本部長は市長であり、各部局室長を本部委員とし、事務局は危機管理課が担当することとなりますから、有事にあたって、市長の下で災害対策本部が対応にあたっているわけあります。

 

一方、請願書にある「首長直轄運用方式」は、平時の組織体制を指すものと考えられますから、「首長直轄運用方式の成果である」とする見解は理解しがたいものがありますが、当局の見解を伺いたいと思います。

 

市長室長

 

災害時においては、災害対策基本法座間市災害対策本部条例、座間市地域防災計画等に基づき、市長を本部長とし、危機管理課を本部事務局とした災害対策本部を編成し、対応します。令和元年10月に発生した台風19号では、台風の接近に伴い、警戒本部から災害対策本部に移行し、全庁一丸となって取り組みました。幸い大きな被害や事故等もなく、避難誘導などが行われたものと捉えております。災害は、いつ起こるかわからない中で、現行の組織体制であっても、新たな組織体制であっても、すべての職員が常に危機意識を持ち、恒常的に危機管理体制が継続できるよう努めて参ります。

 

 

次に、行政組織条例改正後の危機管理に関する組織の運用について、お聞きして参ります。

 

第4座間市総合計画の中間見直しに伴って行われた組織機構改革において、市長室を設け、危機管理課を市長室に配置したことの理由について、当時の総務部長は、「これまで市民部安全防災課災害対策係が所管しておりました防災・減災の業務を引き継ぐとともに、秘書部門の責任者でもある市長室長のもとで渉外機能、広報機能といったものを組織的に集約することにより、こうした危険に総合的かつ効果的に対応し、発生時には的確かつ迅速な初動対応が図れるものと考えております。」と答弁されております。

一方、今回提案されている行政組織条例の一部改正では、危機管理課はくらし安全部、広報機能は総合政策部秘書広報課、渉外関係は総合政策部総合政策課と、二つの部にまたがることになります。私自身は、その当時においても、あるいは現在においても、危機管理、広報、渉外という機能が同一の部・室であることに、特段の必要性を認めるものではありませんが、当時の総務部長答弁との関係、すなわち危機管理、広報、渉外の三つの機能を一つの部に集約することと、今回の改正案は違っておりますので、この点について当局の見解を伺っておきたいと思います。

 

市長室長

 

災害時において重要な対応として、適時的確な情報発信があり、その役割を担うのが広報主管課です。また、在日米軍との間で災害時における救援活動等の覚書を交わしていることから、連絡調整の役割を担うのが渉外主管課です。現在市長室は、これらを所管していますが、地震災害や風水害により災害対策本部を設置した際には、本部長の指示のもと、災対各部において、使命感を持ち、庁内が一丸となって多種多様な事態にあたることが不可欠です。新たな組織体制となっても、災害対策本部組織図を改正することで、本部長のもと、本部事務局や災対各部が適時的確な対応をすることに変わりはございません。今後危機管理主管課は、防災減災に加えて、気候変動や地球温暖化対策などの安全安心で環境にやさしい街づくりを一体的に担う「くらし安全部」に位置づけつつ、これまで先進的に取り組んできた危機管理に関する取組みの継続・強化に、引き続き努めて参ります。

 

2.職員定数条例の一部改正について

 

次に、一般質問の第二点目のテーマとして、職員定数条例の一部改正について、議論をして参りたいと思います。

 

本条例改正案は、職員定数を現行873人から30人増やし903人とし、休職者や育児休業者などを定数外とする規定を新たに追加するものであります。

まずは、「令和4年度第4回定例会に係る座間市職員定数条例の一部改正に伴う運用指針案」という、その表題がなんともわかりにくいものでありますが、同指針について伺って参ります。

同指針の「2.運用の基本的な考え方」の「(1)職員の定数について」を見てみますと、ア、とイは、定年年齢の引き上げと休職者等を定数外とすることよる定数増の説明となっておりますが、ウは「ア及びイの事由以外での運用を行わないこととする」とあります。これは、職員の実数管理を定めたものと理解してよろしいのでしょうか。また、その内容についても説明を求めるものであります。

 

総務部長

 

職員の定数についての「ゥは、職員実数の管理を定めたものと理解してよいか」という点は、お見込みの通りです。

 

 

次に、同指針の「3.今後について」では、「令和5年度に新体制での運営状況を踏まえ、今後の職員定員管理計画案を策定することとし、必要に応じ条例の改正について検討するものとする」とありますが、どのようにして検討・策定作業を行うのでしょうか、組織横断的な検討組織を立ち上げるのでしょうか、基本的な考え方及び体制について伺いたいと思います。

 

総務部長

 

基本的には、庁内検討体制を立ち上げ、その中で検討して参ります。

 

 

次に、適切な職員定数及び定員管理計画を検討する上での基本的な考え方について、お聞きして参ります。

 

今回の改正案は、すでに総括質疑で市長や総務部長が答弁されているとおり、本来ならば、第5次座間市総合計画の政策・施策を推進するために、必要な組織体制と職員定数を定めることが求められるところですが、退職年齢の段階的引き上げと休職者等を定数外とすることによる対応に絞った、極めて限定的な、緊急避難的なものと言ってもよいかと思います。故に、この1年をかけて、本来必要な職員定数と、実人員を適正に管理するための定員管理計画が検討されることと思いますので、ここでは、その検討にあたっての基本的な考え方について、私の意見も交えながら、当局の見解を伺って参りたいと思います。

 

適切な職員定数を考えていく場合に、まず、第一に考えなければならないことは、総合計画の政策・施策体系を推進するために必要な職員の数であることに間違いありませんが、もう一つの視点として、私は常勤職員と非常勤の職員、特に会計年度任用職員とのバランスにも考慮すべきであると考えます。

 

これは、現状の座間市職員の内訳ですが、上のグラフのとおり、常勤職員818人に対し、非常勤の職員は873人で、合計1691人となっており、非常勤の職員の割合が常勤職員の割合を上回っております。

下のグラフは、非常勤の職員の内訳ですが、今回はこのうち、フルタイマーの会計年度任用職員に着目してみたいと思います。

 

本市では現在、119人のフルタイマー会計年度任用職員がおりますが、その内訳は、(右はしの計のところになりますが)市長の事務部局が99人、教育委員会が19人、上下水道局が1人となっております。

フルタイマー会計年度任用職員は、会計年度任用職員制度が始まる以前には、多くは臨時職員として任用でした。臨時的業務を担任する職員が恒常的に任用されていたというのは、法の趣旨から逸脱するような任用形態であったと思いますが、会計年度任用職員制度発足後も、特に保育や学校調理員、環境整備員などの現業部門では恒常的な任用が続いております。

 

こうしたことから、フルタイマーの会計年度任用職員の数のうち、多くは本来ならば常勤職員の定数に加えなければならないものがあると、考えるところでありますが、いかがでしょうか。適切な職員定数を検討するにあたっては、常勤職員の数と会計年度任用職員の数、特にフルタイマーの会計年度任用職員とのバランスについても考慮に入れるべきではないかと思いますが、当局の見解を伺うものであります。

 

総務部長

 

今後職員定数及び職員定員管理計画を検討していく際には、常勤職員と非常勤職員のバランスも含め、方向性について検討していくものと考えております。

 

 

3.有機フッ素化合物汚染について

 

次に、一般質問の第三点目のテーマとして、有機フッ素化合物汚染について、お聞きして参ります。

 

まず、キャンプ座間の泡消火剤についてお聞きします。ご承知の通り本市議会では、本年9月28日の本会議において、国に対して「有機フッ素化合物汚染に関する意見書」を採択しております。この意見書には4項目の要望事項が記されておりますが、4番目の項目では、「米軍基地キャンプ座間における有機フッ素化合物を含む泡消火剤について、過去の使用状況(訓練の頻度及び排水処理方法等)を公表すること。」を本市議会の意思として、求めております。

 

では、市の意思としてはどうなのでしょうか。本市として、国又は在日米陸軍司令部に対して、同様の要望又は照会を行うべきではないかと思いますが、見解を求めるものであります。

 

市長室長

 

過去の使用状況等について、改めて確認を行ったところ、防衛省南関東防衛局から「在日米軍施設・区域における消火訓練については、部隊の消火能力を維持・向上する観点から、米側は定期的に実施していたと承知しておりますが、米側からは2016年以降は、訓練を目的として使用しておらず、これらを厳格に管理している旨の説明を受けているところです」との回答があり、また在日米軍が策定する日本環境管理基準において、PFOS及びPFOAについては、有害物質のリストに掲載され、その保管方法、廃棄手続き、漏出時の対処要領等が定められており、在日米軍は当該基準に従い、有害物質の管理を適切に行っているものと承知しております」との回答がありました。

 

再質問(要旨)

 

  • 国に対して照会を行い、その回答が答弁されたが、肝心なことが答えられていない。過去の排水処理をどのようにしていたのか。
  • 今回、過去定期的に有機フッ素化合物を含む泡消火剤による訓練が行われてきたことは確認されたので、ではその際の排水処理はどのようにしていたのか、照会すべきと考えるがどうか。

市長室長

 

今後、国に確認していきたいと思っております。

 

 

次に、環境経済部が行った市内有機フッ素化合物調査について、お聞きします。本年11月4日、環境経済部長名で「座間市有機フッ素化合物調査結果について」という文書が議員へ配布されました。その文書によると、本年9月に市内8地点(内訳は井戸が5地点、湧水が1地点、河川が2地点とのことでありますが)、この8地点を調査したところ、暫定目標値である50ng/Lを超過した地点は、河川1地点で180ng/Lが計測されたとのことであります。

 

この1地点とは、鳩川の平和橋下流流入排水路で。この写真の場所です。そこで、お聞きするものでありますが、今回の調査結果について、当局はどのように評価・分析を行っているのでしょうか。見解を求めるものであります。

環境経済部長

 

地下水については、本年9月に調査した6地点では、暫定目標値を超過する地点はありませんでしたが、今後2回目の調査を令和5年1月頃に予定しており、また、県による継続調査の結果も出ていないことから、それらの結果を見極めていきたいと考えます。次に河川については、昨年度県が調査して暫定目標値を超過した鳩川の平和橋下流流入排水路で本年度も暫定目標値を超過する結果となりましたので、継続調査とともに、調査の範囲を広げることも必要であると考えます。

 

 

また、今回180ng/Lが計測された平和橋下流流入排水路は、2020年度に県が行った調査においても85ng/Lと、暫定目標値超えとなっており、今回はさらに数値も上がっております。こうしたことから、平和橋下流流入排水路に流入するエリアの一般管のマスについて、面的な調査を行うべきではないかと思いますが、当局の見解を伺うものであります。

 

環境経済部長

 

平和橋下流流入排水路に流入する一般管の面的な調査についてですが、先ほどの答弁のとおり、暫定目標値を超過している状況を考えますと、排水路の下流から上流にかけて調査地点を広げて、更なる分布状況の把握に努めることが必要ではないかと考えております。

 

4.ワンストップサービスについて

次に、一般質問の第四点目のテーマとして、ワンストップサービスについて、お聞きして参ります。

 

まず、地方自治体におけるワンストップサービスをどのように定義するか、という点でありますが、大きく二つに分けられるのではないかと思います。

 

一つは、行政手続きを一つの窓口で完了させること。例えば、のちほど取り上げますが、家族が亡くなった際の手続きや、転入・転出・転居届出や出生届の際の手続きは、本市の場合、現状では市民がいくつかの担当課の窓口を回らなければなりませんし、手続きを行う市民からすれば、それぞれの窓口ごとに、同じ事情説明を行わなければなりません。これをワンストップ窓口によって解消しようとするのが、行政手続きのワンストップ化であります。

 

もう一つは、相談窓口のワンストップ化です。福祉に係る重層的な課題を抱えている方々への相談・支援などは、これに当たると思います。あり得ることだと思いますが、例えば、母子家庭で、親の介護を抱え、保育や学校教育における支援が必要な方の相談などです。この場合、関係する様々な法律や制度に関する見識が必要とされますが、個人の抱える様々な困難や課題を受け止め、適切なサービスや支援へと結びつけていくことができれば良いと思います。

 

以上が私なりのワンストップサービスに関する整理でありますが、これに基づき、具体的にお聞きして参りたいと思います。まずは、ワンストップサービスに関する本市の基本的な考え方及び具体的な検討についてお聞きします。

 

第5次座間市総合計画の「施策29デジタル化推進」では、市民サービスの向上や行政事務の効率化を目的として、デジタル化の推進が示され、オンラインを活用した行政サービスが例示されておりますが、ワンストップサービスについての記述はありません。総合計画の策定及び組織機構改革にあたって、ワンストップサービスについての検討は、行われたのでしょうか、説明を求めるとともに、ワンストップサービスに関する基本的な考え方について、見解を求めものであります。

 

企画財政部長

 

近年本市を取り巻く社会情勢は変化をしつづけるとともに、市民の生活様式や価値観が多様化しています。そうした中で、国はデジタル社会の実現に向け、誰もがいつでもどこでもデジタルの恩恵を享受できる社会を実現することを理念とした重点計画を作成しました。本市はこれまでも、市民サービスを向上させるためワンストップサービスについて検討してきたところであり、第5次座間市総合計画策定過程においても、その対象としています。今後は国の動向を注視しつつ、デジタル技術の活用を視野に入れながら、検討して参りたいと考えております。

 

再々質問(要旨)

 

  • デジタル化によって、いろんな手続きの可能性が広がり、行政手続きの利便性が高まるとのことだが、それはマイナンバーカードの活用によるものと理解してよいか。
  • マイナンバーカードについては、いろんな意見がある。私もこれまでマイナンバーカードの導入に反対してきた。

  • 新聞報道でおもしろいことがあった。11月初めぐらいの東京新聞霞が関の省庁が、マイナンバーカードと身分証を一体化しようとする動きに対し、省庁が反対していたという報道。その理由は「情報漏えいの可能性があるから」というもの。具体的には、内閣府公安調査庁防衛省など。

  • 霞が関の省庁において反対論がある中で、市民に対してはマイナンバーカードと医療保険証との一体化だとか、生活保護の医療扶助についてもマイナンバーカードを使うだとか、動きが出てきている。

  • マイナンバーカードの活用については、意見が分かれるところ。また、現行のマイナンバー法では、あくまでも「申請行為」。取得が義務化されているわけではない。任意のものである以上、マイナンバーカードを使いたくないという人たちも含めて、デジタル化による行政サービスを享受できるようになるのか、そういう人たちはデジタル化の利便性を享受できないことを、それでよしとするのか。見解を伺いたい。

 

企画財政部長

 

私の先ほどの答弁は、デジタル技術がめざましい進展を遂げているという一般論を申し上げたものでございまして、特定の技術について言及したものではございません。

 

市長

 

デジタル化によって、デジタルが使える方だけが享受されるのか、という趣旨のご質問だと思います。デジタル化が進むことで、例えば本市ではラインなどでの申請も増やしているのですが、そうしたことで市役所に来庁されない方が増えますと、これまでかかっていた人手を他のところに充てられるということもあります。必ずしも、デジタルを使える方だけというわけではなく、デジタルを使えない方々によりきめ細やかなサービスが行えるものだと考えておりますので、総合的に考えていきたいと思っております。

 

 

次に、福祉分野における総合相談窓口についてお聞きします。福祉に係る重層的な課題を抱えている方々への支援について本市は、「断らない相談支援」をキーワードに、「つなぐシート」や「相談チャート」等を活用し、いわゆる窓口での「たらい回し」を防ぐための庁内体制の構築を図ってきたところであると承知しております。これをさらに一歩進めて、福祉分野における総合相談窓口の設置し、市民サービスの向上を図ることについて、どのようにお考えでしょうか。当局の見解を伺うものであります。

 

福祉部長

 

つなぐシートを始めとする庁内連携の取り組みは、議員おっしゃるとおりに、いわゆる窓口でのたらいまわし防止とともに、生活課題を抱える市民を早期に必要な相談支援につなげることを主眼としています。これまでの取り組みから、市民の抱える複合的な生活課題を様々な方法でキャッチアップし、市民サービスの向上を図るためには、総合相談窓口に一元的化するよりも、庁内に気づきのネットワークを構築することが、より有効ではないかと考えています。

 

第5次座間市総合計画基本構想において、政策5では、8050問題や社会的孤立など市民の生活課題は複雑化多様化し、これまでのような分野ごとの相談支援体制だけでは解決が難しくなっていることから、包括的な相談支援体制の構築が課題と掲げ、それを具体化するために地域福祉の施策をお示ししました。引き続き本市としての、包括的相談支援体制の在り方を検討して参ります。

 

 

次に、いわゆる「おくやみコーナー」の設置についてお聞き致します。おくやみコーナーの設置については、先日の伊藤多華議員の質問に対し、市民部長は、「その必要性は認識している。設置の場所、システム、人員配置などの検討課題はあるが、来年度以降の開設に向けて検討して参りたい」との答弁がありましたので、その前向きな姿勢を評価し、私から質問を繰り返すことは致しませんが、ここでは、少し、私の実体験を述べて参りたいと思います。

 

実は私、今年9月に97歳の母親が亡くなりました。私の実家である福岡県豊前市というところですが、その手続きで地元の市役所に行きました。

これがその市役所の「おくやみコーナー」なのですけれども、この「おくやみコーナー」の左手が、市役所に入った時によくある総合案内で、その横に「おくやみコーナー」があり、イスが一つあって、その向こうにパソコンがある、あそこに職員が次から次に手続きのためにやってくると。ですから私は「おくやみコーナー」のイスに座って、「死亡後の手続きをしたいのです」という話をすると、まずは「おくやみコーナー」の所管の職員の方が来られて、私の身分証を確認した上で、うちの母親について、どういう手続きが必要かという一覧表がすぐ出てきます。

 

これが一覧表なのですが、「手続きについてのご案内」と題して、一番上の印鑑の廃止から、国民年金受給者の手続き、後期高齢者とかあって、これはひな型なので全部で11項目なのですが、うちの母親に係るのはこんなにありませんでしたので、このうちのいくつかが該当する部分ということです。

一番よかったのは、そこに座ったままで、庁内の各窓口に行く必要がないということです。現状の本市の場合、手続きに関するパンフレットがありますが、そこには庁内の地図があって、そこに行ってください、という形です。全部手続きを終了するまでに、1時間もかかってないのです。次から次に担当者が来られ、手続きを一つ一つ済ませていくと。全く私もストレスなく手続きを完了することができました。大変便利でしたので、ぜひ、本市でも取り組んでいただければと思う次第であります。

 

最後は、私の実体験に基づく感想となりましたけれども、以上、最終的には14項目にわたって質問致しました。明快な答弁を求め、一旦降壇致します。